声楽レッスンでは何をする?実際の流れと「できるようになること」を元音大生が解説

レッスン

こんにちは。音大声楽科出身ライターこまりです。

女の子
女の子

声楽レッスンって、何をするの?

女性
女性

体験レッスンに行きたいけれど、初心者でも大丈夫なのか心配だわ

こんなお悩みお持ちではないですか?

これから声楽を始めたい人にとって、レッスンでは実際に何をするのか、初心者にとって難しすぎる内容ではないか、気になるところですよね。

でも声楽を全く知らなかった頃から音大で4年間びっしりレッスンに通ってきた私だからこそ、断言できます。声楽レッスンは、初心者にとっても上級者にとっても、想像以上に豊かな体験をもたらしてくれる場所です。

レッスンではブレス・発声練習、曲の練習を通して、習った曲を歌えるようになるだけでなく、音感やリズム感が鍛えられ、全く知識がないところからでも、姿勢に対する意識変化正しい腹式呼吸の手法などを学べます。

おかげで、音楽全般のスキルアップに繋がり、合唱やカラオケなどでも自信を持って歌えるようになり、音楽大学にも合格しました。日常生活でも、姿勢への意識が高くなったり、リラックスしたい時に腹式呼吸を取り入れられたり、健康に関する恩恵を受けられます。

この記事では、実際のレッスンの流れから、よくある不安への回答、声楽レッスンに通って「できるようになること」まで、体験談を交えながらわかりやすくお伝えします。

声楽レッスンでは実際に何をする?(実際の60分の流れを解説)

まずは「声楽レッスンで何をするのか」を見ていきましょう。

一般的なレッスンは60分〜90分程度で、以下のような流れで進みます。

タイトル声楽レッスンの流れ(一例)
  • 0:00
    レッスン開始 ストレッチ・ブレス練習

    ・身体をほぐす簡単なストレッチ
    ・スタッカートブレス、ロングブレスなど呼吸の練習

  • 0:05
    発声練習 

    ・母音での音階練習
    ・ハミングでの音階練習

  • 0:20
    曲の練習

    曲の練習
    ・イタリア歌曲・ドイツ歌曲・日本歌曲・アリア(オペラの中の一曲)などの練習

  • 0:50
    フィードバック・次回までの練習確認

    ・今日のレッスンでの総括
    ・次回までの課題、次回のレッスン内容の擦り合わせ

90分レッスンの場合は、一般的に発声練習や曲の練習時間に充てる時間が増えます。

こまり
こまり

ここからは、ひとつひとつの流れをさらに詳しく解説していきます!

レッスン開始 ストレッチ・ブレス

教室に入ると、まず先生と軽く挨拶をし、その日の体調や喉の調子を確認したあと、ストレッチや呼吸の練習からスタート。

ストレッチは腕を上に上げて背伸びをしたり、首をゆっくり回転させたり、肩を回したりと、体の力を抜きリラックスした状態を作るために簡単なものを行います。

ブレス練習では、腹式呼吸の基礎を学びます。鼻から吸って、口から吐く。
吸う時に腹部周りが膨らみ、吐く際に腹部が凹むイメージです。自分で身体に手を当てるなどしてイメージを掴みます。

◆筆者の実感
声楽を習い始めた当初、先生から「背中にも息を入れるイメージで」と言われ、「どういう意味?!」と、最初は私自身も分かりませんでした。しかし何回かレッスンを重ねるうちに、ある日突然「あ、この感覚か!」と分かる瞬間が訪れます。

そういった気づきや発見を先生と二人三脚で積み重ねていくこともレッスンの良さの一つですので、最初から正しい身体の使い方を理解できなくても、焦る必要は全くありません。

発声練習

次に「あー」「おー」など母音だけで発声練習をします。
先生がピアノを弾き、同じ音程を真似して歌っていくので身構えなくても大丈夫です。

母音での音階練習

「ドーレーミーレード」という音を「あーえーあーえーあー」という母音で発声するなどして、音と音の行き来を滑らかにする練習です。

ハミングでの音階練習

口を閉じて、「んー」という発音で鼻から息を出しながら、上記と同様の音階練習を行います。

💡様々な音階練習

最初は「ドレミレド」「レミファミレ」「ミファソファミ」と全音、または半音ずつ上がっていき、より高い音域まで出るよう練習を積み重ねます。

慣れてくると、「ドミソドソミド〜」など、少し複雑になったり、母音も「あえいおえいあ〜」と様々な種類を混ぜてみたり、先生によっても多種多様なやり方があり面白いですよ。

曲の練習

そしていよいよ曲の練習に入ります。
練習してきた課題曲を先生や伴奏者の伴奏のもとで歌います。

最初や最後に通して歌うこともありますが、基本的には曲の途中で何度も止まり、姿勢、息の流れ、口の開け方、発音、表現などを細かくアドバイスしてもらいます。

コピー譜面を持参し、アドバイスや気づいたことを書き込みしていきましょう。

もし可能であれば、先生に確認をとって録音をさせてもらうと、復習の際にもニュアンスを掴むための参考になるでしょう。

音取り分からない音楽記号を調べるなど、自分でできる範囲の予習をしておくと、レッスン中は先生だからこそできるアドバイスや、より深い内容を学ぶ時間に充てることができ、成長速度がグンと上がります!

フィードバック・次回までの練習確認

最後に「今日はこれが良くなりましたね」「次回までにここを練習してみましょう」と今回のフィードバックと次回までの宿題をもらって終了です。

声楽レッスンとボイトレの違い

よく耳にするボイストレーニング(いわゆるボイトレ)と声楽レッスンの違いを見てみましょう。
主に、発声、声色の扱い方、曲のジャンル、歌い方などが主な違いです。

声楽レッスンボイトレ
発声クラシック発声ポップス発声
音の広がり方響きを重視マイクを前提
曲のジャンルオペラ・歌曲J-POP
歌い方生声中心マイク使用

どちらが優れているわけではなく、歌いたいジャンルによって選ぶのがおすすめです。

声楽レッスンかボイトレか迷った時は、どんな曲を歌えるようになりたいのか、何のために歌を習いたいと思ったのか、などから思考を整理してみましょう。

声楽レッスンでできるようになること9選

こまり
こまり

声楽レッスンを続けることで得られる変化を、具体的に9個紹介します♪

【1】音域が広がり、高い(低い)声が出るようになる

「高い声が出ない」「低い声がこもる」などの悩みも、発声の訓練で改善できます。

特に声楽では換声点(かんせいてん)という、地声(チェストボイス)と裏声(ファルセット)の切り替わりポイントをスムーズにつなぐ練習を行います。これにより、無理なく広い音域で歌えるようになります。

◆筆者の実感
入学当初は「ファ(F5)」あたりで声が割れていた私が、4年間で「ラ(A5)」まで安定して出せるようになりました(私はメゾソプラノでしたので、ソプラノの方はさらに高い音域も安定して出せるようになるかと思います)。

発声の正しい知識は、あらゆる曲を表現豊かに演奏するために、非常に重要なものになってきます。

【2】喉に負担のかからない発声法が習得できる

カラオケで歌うと翌日喉がガラガラになる……そんな経験はありませんか? それは喉に不要な力が入っているサインです。

声楽の発声法では、喉を締めずに声を「前に飛ばす」感覚を学びます。習得すると、大きな声を出しても喉が疲れにくくなり、歌える時間が格段に増えます。

【3】正しい腹式呼吸が身につく

声楽の土台は「呼吸」です。胸や喉ではなく、横隔膜(おうかくまく)を使った腹式呼吸(ふくしきこきゅう)を習得することで、安定した声が出るようになります。

レッスンでは「息を吸うとき、お腹がどう動くか」「息をどのくらいの速さで吐くか」など、普段は意識しない呼吸の細部を丁寧に指導してもらえます。

腹式呼吸は歌だけでなく、不安や緊張の緩和にも役立つと言われています。

【4】音程・リズム感が鍛えられる

先ほどの流れでお伝えした通り、発声練習では音階(スケール)を繰り返し歌います。

これが「音を正確に聴き取る耳」と「声を正しい音程に乗せる力」を同時に鍛えます。

また、楽譜を見ながらリズムを刻む練習も入るため、音楽的な感覚全般が磨かれていきます。

【5】姿勢・体の使い方が変わる

声楽では「体全体が楽器」という考え方があります。
姿勢が悪いと声の響きが変わってしまうため、立ち方・肩の位置・顎の角度まで細かく指導を受けます。

レッスンを続けることで正しい姿勢が身につき、日常生活でも意識をすることで、背筋が伸びやすくなったと感じている方が多いようです。

【6】クラシック曲・オペラのアリアが歌えるようになる

声楽の花形といえば、やはりイタリアオペラや歌曲(かきょく)です。

モーツァルト、プッチーニ、シューベルト……名作の数々を「本物の発声法」で歌えるようになることは、声楽レッスンならではの醍醐味です。

「あの曲を歌ってみたい!」という憧れが、現実になっていく瞬間は感動的です。

【7】外国語の発音・語感が磨かれる

声楽では主にイタリア語・ドイツ語・フランス語の曲を歌います。歌いながら語感を学ぶため、言語ごとの発音の特徴が自然と身についていきます。

イタリア語はローマ字読みに近く、発音が比較的易しいので、初心者にも取り組みやすいですよ!

【8】人前で歌う度胸がつく

声楽レッスンでは、先生1人(または少数のグループ)の前で歌い続けます。最初は恥ずかしくても、繰り返すうちに「人前で歌うこと」への抵抗感が薄れていきます。

また多くの教室では年に1〜2回、発表会があり、本番経験を積む機会があります。
ステージ経験は、どんな発表の場でも自信につながります。

【9】自分の声の個性を知ることができる

声楽では生徒それぞれの声質を分析し、向いている声域・声種(ソプラノ・メゾソプラノ・テノール・バリトン・バスなど)を先生が見極めます。

「自分の声ってどんな声?」という問いに、プロの目線から答えをもらえる体験は、なかなかできるものではありません。


初心者でも安心?声楽レッスンのリアル

「音楽の知識がゼロでも大丈夫?」「楽譜が読めなくても通える?」という不安を持つ方は多いです。

結論から言うと、ほとんどの一般向け声楽教室は初心者歓迎です。

よくある不安実際のところ
音符が読めない最初は先生が音取りを手伝ってくれる。CDや音源も活用できる。通いながら学んでもOK。
楽器が弾けない伴奏は先生が弾いてくれるので不要。
歌ったことがないむしろ癖がない分、ゼロから正しい発声を身につけやすい。
音痴が気になる発声練習を重ねると音程感覚も鍛えられる。
外国語の曲が不安最初は日本歌曲(日本語の曲)から始める教室も多い。
どんな曲を選べばいいか分からない先生が今の段階に合った曲を提案してくれる
こまり
こまり

もしこの他にも不安なことがあれば、体験レッスンやレッスン前に確認しておくといいでしょう♪

どんなジャンルの曲を歌えるの?

「声楽レッスン=オペラしか歌えない」と思っていませんか? 実はジャンルはかなり幅広いです。

声楽レッスンで扱うジャンルの例

ジャンル代表曲・レパートリー
イタリア古典歌曲カッチーニ「アヴェ・マリア」など
オペラのアリアプッチーニ「誰も寝てはならぬ」、
モーツァルト「魔笛」のアリアなど
ドイツ歌曲(リート)シューベルト「魔王」「野ばら」、
シューマン「詩人の恋」など
日本歌曲山田耕筰「赤とんぼ」「この道」、
中田喜直作品など
聖歌・宗教曲シューベルト「アヴェ・マリア」など
フランス歌曲フォーレ、ドビュッシー作品など
ミュージカル教室によっては対応可能

初心者には、発音が比較的易しいイタリア古典歌曲や日本歌曲から始めることが多いです。

先生や教室の方針によって扱うジャンルは異なるので、「こんな曲を歌いたい」という希望は体験レッスン時に伝えてみましょう。

声楽レッスンで目指せる目標

声楽レッスンには、楽しみ方の幅があります。自分のペースや目的に合わせた目標を設定できるのも魅力です。

趣味として楽しむ

  • 好きな歌曲やアリアを歌えるようになる
  • カラオケや合唱で声の使い方が変わる
  • 年1回の発表会に向けて練習する

ステップアップを目指す

  • 声楽コンクールに出場する
  • 音楽大学・音楽専門学校への受験対策として活用する
  • 合唱団やアマチュアオーケストラの演奏会でソリストを務める

健康・ウェルネス目的

  • 腹式呼吸で体幹・姿勢を整える
  • 声を出すことでストレス発散・気分転換を図る
  • 年齢を重ねてからの「脳トレ」「喉の健康維持」として活用する

最近では50代・60代から声楽を始める方も増えています。声は年齢を超えて鍛え続けられる、数少ない「楽器」です。

まとめ

こまり
こまり

声楽レッスン全体の流れと、得られる変化を改めて整理します!

声楽レッスンで実際にやること

  1. ストレッチ・ブレス練習
  2. 発声練習
  3. 曲の練習
  4. フィードバック・次回までの練習確認

声楽レッスンでできるようになること

  • 腹式呼吸・喉を傷めない正しい発声法が身につく
  • 音域が広がり、高音・低音が安定して出せるようになる
  • クラシック・オペラ・日本歌曲など幅広いジャンルを歌えるようになる
  • 外国語(イタリア語・ドイツ語など)の発音・語感が磨かれる
  • 人前で歌う度胸と、自分の声の個性への理解が深まる
  • 楽譜が読めない・音楽経験ゼロでも、ゼロから正しく学べる

私自身、声楽を始める前は「難しそう」「自分には少しレベルが高いかも」と思っていました。でも実際は、初心者だからこそ先生が丁寧に導いてくださり、少しずつ自分の声が変わっていくのを感じる喜びがありました。

「声楽、気になってはいるけど……」と迷っている方は、まず体験レッスンに足を運んでみてください。一歩踏み出したあとに「もっと早く始めればよかった」と思えるかもしれません。

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